移民大国
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 国際研修協力機構(JITCO)の外国人技能実習制度で来日した中国人女性5人達が、労働基準法に違反する劣悪な条件で働かされたなどとして、長崎県島原市の縫製会社(自己破産)を相手取り、慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟の判決報道。3月5日

3月のニュースより
 長崎判決によると、5人のうち3人は2006年12月、残り2人は2007年10月に来日しました。就労を禁じられている研修中に、同社工場で女性用下着などを縫製する実労働をさせられ、技能実習への移行後も、最低賃金を下回る時給300~400円で長時間残業や休日勤務も強いられ、1か月の時間外労働が190時間を超すこともあったそうです。裁判所は「人格権を侵害するなど、不法行為が認められる」と指摘しました。 J

 先月は、広島の水産会社で中国人の年配実習生の男性が突然、社長や従業員8人を殺傷した3月14日の事件の方が、日本では話題になりました。全くひどい常軌を逸した行為でしたが、陳容疑者は犯行後ようやく我に返り、涙ぐみながら「お母さん…」と言葉を発すると同時に、スコップで自分の頭を殴打し、自分の胸にも包丁を刺したとも言われています。実は陳容疑者も昨年9月に「「外国人研修・技能実習制度」の実習生として中国から来日していました。しかし、実態は研修でなく、広島の水産会社で牡蠣の殻をむく「打ち子」の出稼ぎ労働者として働いていたそうです。残してきた家庭事情でノイローゼ的になっていたとも言われました。P

「カキ打ち」はカキのシーズンの秋から春までの養殖業の作業で、生カキを扱うため寒い冬の作業場で暖房も入れることができず、厳しい作業です。もう3K労働を嫌う日本の若者たちには耐えられず、地元では過疎や高齢化も加わって、労働力がないため、最近はもっぱら外国人頼みだといいます。



 アベノミクスでまたミニバブルさえ懸念される日本ですが、労働人口の減少と労働者の高齢化は日本が国家として基本的に抱える深刻な問題となっています。いくら円安になっても、国際競争が激化する昨今では、労働生産者の年齢層が若く、しかも人口増加傾向にある新興国の低賃金生産に対して、技術立国の日本でもやはり価格面では全く競争ができません。

 しかも、総人口が少なくなり、急速に人口構成の高齢化が進んでいる日本には将来の労働生産人口不足という深刻な危機があると言われます。しかし、資源の少ない日本では、将来においても新興国と競争して、中国市場やアメリカ市場などにおいて基本的に貿易で稼ぐ道しかありません。

 しかし、日本の労働生産年齢人口(15~64歳)が総人口に占める割合は1950年代に6割を超え、高度経済成長の終了後、1990年代にはピークに達し、その後は低下していきました。そして、2030年にはもう限界的とも水準の6割を割り込むと予測されています。労働生産の人口減少が急激な点では先進国の中でも日本の人口構成は特異な存在です。バブル時代以降の価格調整のデフレの影響もあり、デフレ不況と言う言葉が大きな誤解を生んでいますが、この人口減少こそが土地の価格デフレが長引く主要因と言われています。
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 一方、労働人口の不足を補うための外国人労働者の活用ですが、日本でも、1994年の外国人労働者の統計開始後、全労働人口に占める、外国人労働者の数は毎年増加傾向にありました。2011年の日本の外国人登録者数は、中国が67万人、韓国・北朝鮮人が54万人、ブラジルが21万人、フイリピンは20万人(その他41万人)でした。
 この十年間で中国人は4倍に、フイリピン人が3倍に、ブラジル人が2倍に増える一方で韓国・北朝鮮人が14万人数を減らしました。2011年のデータでは、その在日外国人のうち労働生産者の人数は約69万人で、日本の全労働人口に占める外国人労働者の割合は毎年増えており、2011年には、1994年の統計開始後で初めて、1%を超えました。

 しかし、東北地震の影響でしょうか、厚生労働省の外国人雇用状況によると2012年10月末では、日本の外国人労働者数は68.2万人と前年同期比0.6%減と減少に転じました。
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 最近の韓国は、日本とはかなり違います。

 李氏朝鮮が徳川時代と同様に鎖国政策をとった影響でしょうか、単一民族的な韓国も日本と同様に、従来は外国人に対してとても排他的でした。しかし、この20年で劇的な変化が起こり、外国人労働者数は20倍以上に激増しました。在住外国人は約140万人と韓国総人口の3%近くまでに伸びており(総人口比で日本の3倍)、将来的には8%程度になるとも予想されています。

 外国からの移民も急激に増えました。中国朝鮮族からの移民も多く、外国人女性を配偶者として積極的に受け入れるようになりました。背景には韓国農村部での、深刻な花嫁不足があり。民間業者の斡旋などによる国際結婚が1990年代半ばから広がり、1990年代初めに1%を超え、農林漁業では40%を超えるまでにも外国妻が急増し、2000年代においてもさらに加速し続けています。
 現在韓国は移民大国を目指しているとも言われます。

 韓国では、単純労働者も外国から積極的に受け入れ、単純労働の外国人は「雇用許可制」によって受け入れることを始めました。2004年から始まった、この雇用許可制では、人材が不足している業種と人数を確定した上で、受け入れ対象国との間で取決めを締結して、労働者を計画的に受け入れる制度です。

 製造業、建設業、漁業、農畜産業など、韓国人の若者が就きたがらない業種が対象で、受け入れ国家は東南アジアを中心に15ヵ国にものぼります。
 
 受け入れ企業は韓国人だけでは求人が埋まらないことを証明する必要があり、それは韓国人が失業しない配慮と言われています。この制度によって、韓国では、中小零細企業の労働力不足も解消し、労働人口の不足による危機から多くの企業が救われたといわれています。

 リーマン・ショックによって韓国経済は一時低迷し失業率も増加しましたが、その後失業水準は以前の水準に戻り、外国人労働者数との調和は保たれています。
 
 しかし、外国人労働者が増える一方で、日本以上に犯罪やトラブルが当然多発しています。しかし、2004年の盧武鉉大統領の就任で環境整備が図られました。人権派弁護士出身で国民から人気を集めた、盧武鉉大統領が、まず手をつけたのは、外国人労働者の置かれている劣悪な環境の改善でした。

 それまでの韓国の保守的な伝統を変え、自国民だけ重視するのでなく、移民の人権を重視する新基本政策も2006年に発表し、外国人労働者の人権も保障することで犯罪やトラブルを減らす環境を整えたのです。
 
 今日の韓国行政では、外国人労働者に対する認識さえも「一時的労働者」から「隣人」に改め、同質で均一な偏狭な民族社会から多様な外国文化に開かれた、相互に尊敬の念を持つ社会への移行を目指しています。もちろん日本人に対してもです。

 
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by zhenhong1 | 2013-04-14 17:21

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